企業のCSRの取り組みの一環として注目を集めるカーボン・オフセット。
2022年8月、日本におけるカーボン・オフセットである「Jクレジット制度」の森林管理に係わるプロジェクトの見直し(改定)が行われました。
今回は、その見直しの概要について整理をしていきます。Jクレジット制度の活用を検討されている方にとって、必見の内容になっています。
そもそもカーボン・オフセットとは何か、を学びたい方は以下のリンクをご参照ください!
Jクレジット制度とは
Jクレジット制度とは、日本におけるカーボン・オフセット制度のことで、CO2排出削減量もしくはCO2の固定量をクレジット(権利)として国が認証し、そのクレジットを関係者間で売買できるようにする仕組みのことです。
例えば、林業を通じて植林された木が固定した(光合成によって吸収した)CO2量をクレジット化、
そのクレジットを都内のIT企業が購入し、IT企業のCO2排出量をクレジット分だけ減らす、といったことができます。
(現状の流通規模では難しいですが)将来的には、クレジット購入を通して、CO2排出量を0にすることができるかもしれません。
”ネットゼロ”を掲げる企業が増えつつある今、Jクレジットを始めとしたカーボン・オフセットは非常に重要な気候変動対策として位置づけられています。
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Jクレジット制度の詳細は以下の記事からご確認ください!
2022年8月の見直し内容とは?
2022年8月、従来のJクレジット制度の中の、森林管理PJTに関わる制度に関して見直しが行われました。
見直し(改定)内容は大きく分けて3点です。1つずつ、詳しく見ていきましょう。
①認証期間の延長
これまで、PJTの認証対象期間は原則8年間とされていましたが、今回の見直し(改定)を通して、最大16年間までの延長が可能になっています。
②森林経営を通じたCO2固定(吸収)量の評価方法の見直し
評価方法に関する見直しは複数項目あります。
まず、追加性要件の緩和です。追加性要件とは、「J-クレジットにおいて認証される吸収量(削減量)は、クレジット制度が存在しない場合に比して追加的な吸収(削減)が実現されたものであること」の証明を求めるもので、今回の見直しでこの要件自体が緩和されました。
次に主伐の評価法についてです。これまで、主伐=CO2排出として見なされていましたが、再造林までセットで行う場合は、その標準伐期時点での炭素蓄積量を排出量から控除できるようになりました。
最後に、対象林地や評価対象の拡張、施行履歴証明の緩和等が行われました。
③再造林活動認証の開始
再造林が進まない現状を踏まえ、再造林されていない林地を再造林した場合、該当する森林の16年後までの吸収量を認証できる新たな認証制度を開始しました。
以上が2022年8月時点における、日本のカーボン・オフセット制度「Jクレジット」制度の見直しの概要になります。
ぜひ、企業でのご導入を検討してみてはいかがでしょうか?