世間一般的に、林業には危ないイメージのあります。当然、「やらないほうが良い」という声もあります。
そこで今回は、大学院時代に林業研究をした経験を踏まえて、なぜ「やらないほうが良い」と言われるのか、という点について解説をしていきます!
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やめとけと言われる理由①労働災害発生件数断トツ1位
林業の労働災害発生率は、令和3年度では全産業の中で1位となっており、危険な仕事の代表格として知られています。
年千人率という「労働者1000人あたり、1年間に発生する死傷者数」を示す数値は、24.7と全産業平均2.7の約10倍の水準となっております。
同じく危険な足場作業を伴う建設業が4.9という数値であることも踏まえると、いかに危険な仕事なのかがわかると思います。
また、発生率もそうですが、労働災害の発生数も非常に多く、令和3年度では30人の死亡者が出ています。チェーンソーのキックバックによる事故や木の下敷きになるケースがあります。
直近でも災害発生が多く、リスクの大きい仕事と言えます。
参照:https://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/anzen/iti.html
やめとけと言われる理由②平均年収の低さ
①の理由で触れたように、林業は非常に危険な仕事です。
危険な仕事ということはそれなりに対価が必要だと考える方も多いかもしれません。
平成29年度の国税庁アンケート調査によると、平均年収は343万円と全産業の平均年収432万円を大きく下回る水準となっております。
参照:https://www.rinya.maff.go.jp/j/routai/koyou/attach/pdf/01-1.pdf
やめとけと言われる理由③過酷な労働環境
林業はイメージの通り、基本的に急斜面の多い山間で作業を行います。
そのため、夏は暑く、冬は寒いというように、気候の影響を直接受ける労働環境です。
また、近年は温暖化や植生の手入れ不足といった要因で、マダニのような吸血虫による感染症被害、獣害被害等も増えています。いずれも作業者の身体や経営的な観点で大きな被害を与えています。
作業する場所によっては、木材の搬出の一部を人力で行う必要があり、かなり体力を要します。
以上のような労働環境に対応することが必要になります。
林業の魅力とは
そんな林業ですが、非常に大きな魅力があります。
時間軸が長い
それは、非常に時間軸の長い仕事である、ということです。
現代社会においてはあらゆるモノ、サービスが瞬く間に過剰に生産、消費されるため、そのうねりの中で働くことを余儀なくされます。
その一方で林業は数十年、数百年という単位で森林とかかわることができます。
祖父母の代に植えた樹木を孫世代で使わせてもらう、ということもよくあります。
自然の中で仕事ができる
林業は当然山での作業がメインになるので、自然の中で身体を動かし、休憩を取りながら働くことができます。
自分の身体と向き合いながら働ける機会は実は非常に貴重なのかもしれません。
特に私が研究を通して出会った林業従事者の方は、皆さん非常にお若く体力にあふれる方でした。
林業をテーマにしたアイテムを作っていたりするので気になる方はチェックしてみてください!
安全な作業をするために
適切な知識を身につける
林業に関する書籍が非常に多く出ています。林業を始める前にこういった書籍を参考にしておくと良いかと思います!
安全講習を受講する
チェーンソーの使用には、特別教育と呼ばれる実践+座学形式での学習が強く推奨されています。
ぜひ受講をして、正しいチェーンソーの使い方を学んでおきましょう。
まとめ
いかがでしたか?
林業をぜひ体験してみたい、という方はとうきょう林業サポート隊のような、林業ボランティアから初めて見るのがおすすめです!