実家じまいは、片付けを急ぐと、相続放棄・税金・補助金・親族間トラブルで困ることがあります。まずは「捨てる」「売る」「解体する」の前に、確認する順番を知っておきましょう。
この記事では、実家じまいでやってはいけない失敗を、取り返しがつきにくい順に整理します。相続放棄、遺言書、相続登記、空き家の3,000万円特別控除、不用品回収業者、補助金の注意点が分かります。
親が生きている段階から売却前まで、いつ何を確認すべきかも手順で確認できます。相続人全員で共有しながら、無理なく進めてください。
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この記事のポイント!
- ✔相続放棄前に財産を処分しない!
- ✔遺言書・重要書類は捨てずに確認!
- ✔相続登記は2024年4月から義務化!
- ✔売却前に税金・補助金の要件を確認!
実家じまいでやってはいけない失敗とは
実家じまいで最初に避けたいのは、相続財産を処分したと見られ得る行為です。
相続放棄を検討しているなら、家財を売る、形見分けを進める、預金を使うような行為をやめましょう。
民法では、相続人が相続財産の全部または一部を処分したときなどに、単純承認したものとみなされる場合があります。相続放棄を考えている人は、まず家庭裁判所や専門家に確認してください(出典:e-Gov法令検索「民法」)。
注意!
捨てる前に相続放棄を確認してください。価値がある物の売却や分配は、後から問題になる可能性があります。
- 相続放棄を検討中なのに、貴金属・骨董品・車・農機具を売る
- 高価な家財を親族へ先に分ける
- 亡くなった親の預金を引き出して、片付け費用や生活費に使う
- 相続人の一部だけで、解体・売却・賃貸を決める
- 権利証、登記識別情報、通帳、保険証券、固定資産税通知書、契約書、年金関係書類を確認せずに処分する
- 写真、手紙、仏壇関係、親族に確認が必要な品を独断で捨てる
自筆証書遺言を見つけた場合も、勝手に開封・廃棄してはいけません。家庭裁判所で検認が必要か確認します。検認は、相続人に遺言の存在と内容を知らせ、遺言書の状態を明確にする手続きです(出典:裁判所「遺言書の検認」)。
補助金を使う予定がある場合も注意が必要です。自治体によっては、交付決定前の契約・着工・処分を対象外にすることがあります!実家じまいの補助金の進め方は、実家じまい補助金の費用・申請手順・注意点も確認しておくと安心です。
売却前に第三者へ貸す、誰かが住む、事業に使う場合は、特例の要件に影響しないか確認します。空き家の3,000万円特別控除は、相続開始から譲渡時まで貸付・居住・事業に使っていないことなどの要件があります(出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)。
相続放棄・相続登記の期限と注意点
相続放棄には期限があります。原則として、自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に、家庭裁判所へ申述します(出典:裁判所「相続の放棄の申述」)。
負債があるか分からない、山林や農地の扱いで迷っている、相続人の連絡が遅れている。こうした場合は、3か月を過ぎる前に期間伸長の申立てを検討します!
POINT
3か月以内に判断材料を集めることが大事です。相続放棄をするか迷う間は、価値がある財産の処分を避けましょう。
「いらない農地」や山林が含まれる相続では、相続放棄だけで解決できるかを早めに確認します。農地の扱いで迷う場合は、「いらない農地」の相続を回避・放棄する現実的な手段も参考になります。
不動産を相続する場合は、相続登記の手続きも必要です。2024年4月1日から相続登記は義務化され、不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です。正当な理由なく怠ると、10万円以下の過料の対象になります(出典:法務省「相続登記の申請義務化について」)。
相続登記をしないまま放置すると、売却、解体補助金の申請、担保設定が進みにくくなります。次の相続で相続人が増えると、同意を集める負担も大きくなります!山林を相続した場合の処分方法は、山林相続がいらない時の処分方法4選で確認できます。
片付け・処分・不用品回収業者の注意点
片付けでは、いきなり捨て始めないでください。まずは残す物・確認する物・処分候補に分けましょう!判断に迷う物は一時保管にして、相続人全員で確認します。
CHECK
- 現金、貴金属、印鑑、権利証、登記識別情報
- 通帳、キャッシュカード、保険証券、年金関係書類
- 固定資産税通知書、売買契約書、賃貸借契約書
- 公共料金、通信、新聞、サブスクなどの契約資料
- 写真、手紙、位牌、仏壇関係、親族に確認が必要な品
不用品回収では、業者の許可を必ず確認します。家庭から出るごみは、原則として一般廃棄物です。市区町村の一般廃棄物処理業の許可を受けた業者、または市区町村から委託を受けた業者か確認しましょう。
古物商許可は、中古品の売買に関する許可です。家庭ごみを回収・処分できる許可とは限りません。産業廃棄物処理業許可も、家庭から出る一般廃棄物の回収許可とは別物です(出典:環境省「廃棄物の処分に『無許可』の回収業者を利用しないでください!」)。
- 無料回収を強調する業者
- 「トラック積み放題」だけで総額を示さない業者
- 作業後に当日追加請求をする業者
- 見積書や契約書を出さない業者
- 作業範囲、階段料金、リサイクル料金、キャンセル料が不明な業者
国民生活センターも、不用品回収サービスのトラブルについて注意を呼びかけています。市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意が必要です(出典:国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル」)。
見積書を残すことも重要です!不用品回収、遺品整理、解体はそれぞれ相見積もりを取り、費用だけでなく、許可、保険、作業後の写真提出、追加費用の条件を比較します。費用の全体像を知りたい場合は、実家じまい費用の相場と内訳、手順と注意点も確認しておきましょう。
解体・売却・空き家管理の比較と税金の注意点
解体は、売却査定を取ってから判断します。更地にしたほうが売りやすい場合もありますが、建物を残したほうが手取りがよい場合もあります!
| 選択肢 | 確認すること | 注意点 |
|---|---|---|
| 修繕して売る | 修繕費、売却価格、販売期間 | 修繕費をかけても価格に反映されるとは限りません |
| 古家付きで売る | 買主の解体負担、残置物処分費 | 価格交渉で解体費相当を見込まれることがあります |
| 解体して更地で売る | 解体費、固定資産税、補助金 | 住宅用地特例の扱いを確認してから進めます |
| 空き家として管理する | 通風、雨漏り、草木、近隣対応 | 管理不全空家などに該当しないよう管理が必要です |
空き家の3,000万円特別控除を使える可能性がある場合は、売却前の使い方に注意します。相続開始から譲渡時まで貸付・居住・事業に使っていないこと、相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることなどの要件があります(出典:国税庁「No.3306 被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」)。
注意!
売る前に税金の要件を確認してください。第三者に貸す、誰かが住む、事業に使うと、特例の要件を満たせなくなる場合があります。
固定資産税は、「空き家だから必ず大きく上がる」とは限りません。住宅が建っている土地は住宅用地特例で課税標準が軽減される場合がありますが、建物を解体して更地になると、原則として住宅用地特例の対象外になります。
一方で、住宅が残っていても安心とは限りません。管理不全空家や特定空家として勧告を受けた場合は、住宅用地特例の対象外になる可能性があります。空家等対策に関する制度は国土交通省が関連情報を示しています(出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」)。
補助金を使う場合は、対象工事、対象建物、申請者要件、相続人全員の同意、年度予算を確認します。さらに、交付決定前の契約・着工の可否、着工前写真、見積書、完了報告期限も見落とさないでください!お金が不足する場合の進め方は、実家じまいでお金がないときの費用・手順・注意点で整理できます。
後悔しない実家じまいの手順とチェックリスト
実家じまいでは、親が元気なとき、亡くなった直後、売却前で確認することが違います。親が元気な段階から話せるなら、本人の意思と資料の保管場所を確認しておきましょう!
- 親が生きている段階:本人の意思、通帳・保険・不動産資料の保管場所、介護施設入所後の管理方法を確認します。認知症など判断能力低下への備えも話し合います。
- 亡くなった直後:遺言書の有無、相続人、財産・負債、固定資産税通知書、公共料金、火災保険を確認します。空き家の施錠、通風、雨漏りも確認します。
- 相続開始後3か月以内:相続放棄の可能性を確認します。高価な家財の売却や分配、大きな片付け、実家の解体・売却契約は急がないようにします。
- 相続登記前:遺産分割協議、相続人全員の同意、登記申請、費用の立替ルールを決めます。誰が何を払ったか、領収書と写真で共有します。
- 売却前:不動産査定、空き家特例の要件、解体補助金、残置物処分費、境界を確認します。農地・山林・墓・仏壇・車・危険物など、別手続きが必要な物も確認します。
遺言書を見つけた場合は、勝手に開封せず、家庭裁判所の検認が必要か確認します(出典:裁判所「遺言書の検認」)。相続放棄は、原則として自己のために相続の開始があったことを知った時から3か月以内に申述します(出典:裁判所「相続の放棄の申述」)。
CHECK
- 相続人全員の連絡先を共有したか
- 重要書類を処分前に確認したか
- 相続放棄の期限を確認したか
- 相続登記の期限を確認したか
- 売却前に空き家特例の要件を確認したか
- 補助金の契約・着工条件を確認したか
相続登記は、2024年4月1日から義務化されています。不動産を相続で取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です(出典:法務省「相続登記の申請義務化について」)。
親族間の記録を残すことも大切です!費用立替、交通費、作業負担、形見分け、売却益配分、写真共有、最終決定者、専門家へ相談する基準を文書やチャットで残します。全体の流れを先に押さえたい場合は、実家じまいの手順と費用・期限の注意点もあわせて確認できます。
まずは相続人全員で、重要書類の確認と相続放棄の期限確認から始めてください。片付けや売却は、その後でも間に合う場合があります。
相続放棄、相続登記、税金、補助金の判断は状況により異なります。迷う点がある場合は、家庭裁判所、自治体、司法書士、税理士などの専門家に確認しながら進めましょう。

