実家の片付けは、物の量だけでなく、親の気持ちやきょうだい間の費用負担も関わるため、何から始めるか迷いやすいです!
この記事では、片付け前に確認すること、部屋ごとの進め方、捨ててはいけない物を整理します。自分で片付ける場合と業者に頼む場合の費用目安、見積書で見るべき点も確認できます。
相続放棄を検討している場合や、空き家の売却・解体を考えている場合は、片付け前に期限の確認が必要です。先に作業の順番を決めて、二度手間を減らしましょう。
この記事のポイント!
- ✔最初に片付けてよい状況か確認する!
- ✔貴重品と重要書類は処分前に探す!
- ✔自治体ルールと業者見積もりを比べる!
- ✔相続放棄・登記・売却期限を先に見る!
実家の片付けは何から始めるかと手順
結論は、いきなり捨て始めないことです。まず実家の状況を分けて、やってよい片付けと止める片付けを確認します!
特に相続放棄を検討している場合は、家財を売る、価値のある物を処分する、親の預貯金で片付け費用を払う前に確認が必要です。相続放棄は原則として、自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ申述します(出典:裁判所「相続の放棄の申述」)。
注意!
相続放棄を迷うなら、処分より先に確認です。財産価値のある物を売ったり処分したりすると、相続を受け入れたと判断されるリスクがあります。
| 実家の状況 | 進めてよい片付け | 止める片付け |
|---|---|---|
| 親が存命 | 本人が同意した場所の整理、安全確保 | 思い出の品や趣味の道具の無断処分 |
| 親が入院・施設入居中 | 介護スペース、通路、衛生面の整理 | 退院後に使う物の処分 |
| 死亡後 | 貴重品・重要書類の捜索、現状記録 | 相続人で共有していない高価品の処分 |
| 相続放棄を検討中 | 保存目的の確認、専門家への相談準備 | 売却、買取依頼、預貯金での支払い |
| 売却・解体予定あり | 残す物と処分する物の仕分け | 査定や解体前に必要な書類の廃棄 |
親が存命の場合は、片付けの目的を先に決めます。目的は安全確保、介護スペースの確保、空き家化への準備などです。
- 家族で片付けの目的と期限を決める
- 通帳、印鑑、権利証などの貴重品・重要書類を探す
- 部屋ごとにスマートフォンで現状を撮影する
- 残す物、譲る物、売る物、処分する物に分ける
- 自治体回収、買取、業者依頼を使い分ける
作業の順番は、生活と安全に関わる場所からです。玄関、廊下、階段、台所、浴室、トイレを先に進めると、作業中の移動もしやすくなります!
- 最初:玄関、廊下、階段など通行に関わる場所
- 次:台所、浴室、トイレなど衛生面に関わる場所
- 次:寝室、書斎など貴重品がありそうな場所
- 最後:押し入れ、納戸、物置など物量が多い場所
実家全体を整理したり、売却したりする予定がある場合は、実家じまいの手順と費用・期限の注意点もあわせて確認すると、片付け後に何をするか決めやすくなります。
POINT
片付けは「捨てる作業」からではなく、状況確認と記録から始めます。最初の1日は、貴重品探しと写真撮影に使いましょう!
捨ててはいけない物と親子で揉めない進め方
実家の片付けで最初に分けるべき物は、捨てる物ではありません。先に捨ててはいけない物を確保します!
重要書類や貴重品を捨てると、相続、保険、売却、解約の手続きが止まることがあります。見つけたら発見日、発見場所、保管者を記録し、スマートフォンで撮影して家族に共有しましょう。
CHECK
- 通帳、印鑑、キャッシュカード
- 年金手帳、健康保険証、マイナンバー関係の書類
- 保険証券、契約書、借用書
- 登記識別情報、権利証、固定資産税通知書
- 遺言書、鍵、貸与品
- 写真、手紙、日記、親族関係が分かるメモ
- スマートフォン、パソコン、ID・パスワードのメモ
確認箱を1つ作ると、判断に迷う物をその場で捨てずに済みます。親が存命の場合は、本人の生活に必要な物、思い出の品、趣味の道具を勝手に処分しないことが大切です。
きょうだいがいる場合は、作業前に決めたことをメモに残します。口約束だけにせず、メモやチャットで共有しておくと、あとで確認できます!
| 決めること | 決め方の例 |
|---|---|
| 費用負担の割合 | 相続人で均等にする、作業参加者の負担を調整する |
| 立替精算の方法 | 領収書を共有し、月末または作業完了後に精算する |
| 形見分けのルール | 高価品は全員に写真を見せてから決める |
| 同意が必要な物 | 貴金属、骨董品、アルバム、親の趣味の道具など |
| 作業日の担当 | 捜索、分別、搬出、立会いを分ける |
費用トラブルを防ぐには、書類を1か所に集めます。領収書、見積書、買取明細、交通費、宿泊費、処分費を同じファイルで管理しましょう。
- 重要書類・貴重品を見つける
- 発見場所と保管者を記録する
- 家族に写真で共有する
- 処分判断が難しい物は確認箱へ入れる
- 精算用の領収書ファイルを作る
親の同意が得られにくい場合は、生活に支障がある場所から始めます。玄関の靴、台所の期限切れ食品、浴室周りの不要品など、本人にも必要性が伝わりやすい場所が進めやすいです!
POINT
家族間の揉めごとは、処分そのものよりも事前共有の不足で起きやすいです。写真、メモ、領収書を残し、あとで家族が確認できるようにしましょう。
実家じまい全体で避けたい進め方は、実家じまいでやってはいけない失敗と正しい手順で詳しく整理しています。
自分でやる場合の費用目安と自治体ルールの注意点
自分で片付ける場合も、無料で終わるとは限りません。費用はごみ処理、運搬、移動、宿泊に分けて考えます!
粗大ごみの手数料や自己搬入の料金は、自治体により異なります。遠方の実家では、交通費や宿泊費も片付け費用に含めて見積もりましょう。
| 費用項目 | 内容 | 注意点 |
|---|---|---|
| 粗大ごみ処理手数料 | 家具、布団、自転車など | 品目ごとに料金や受付方法が違う |
| 自己搬入の処理手数料 | 清掃工場などへ持ち込む費用 | 受付日時や本人確認が必要な場合がある |
| 家電リサイクル料金 | エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機 | 通常の粗大ごみとは扱いが違う |
| 車両レンタル代 | 軽トラック、バンなど | 運転者、保険、返却時間も確認する |
| 梱包資材代 | 段ボール、袋、軍手、テープなど | 物量が多いと不足しやすい |
| 交通費・宿泊費 | 帰省、作業日の滞在費 | 作業日数が増えるほど負担が増える |
家電4品目は、エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機です。家電リサイクル料金や収集運搬料金がかかる場合があります(出典:一般財団法人 家電製品協会 家電リサイクル券センター「RKC 一般財団法人 家電製品協会 家電リサイクル券センター」)。
CHECK
- 粗大ごみの受付方法
- 1回に出せる点数
- 自己搬入の受付日時
- 市外在住の子が代理搬入できるか
- 本人確認書類が必要か
- 自治体で処理できない物
- 高齢者向けの持ち出し支援があるか
自治体ルールは地域差が大きいため、実家のある市区町村の情報で確認します。今住んでいる地域と同じつもりで進めると、収集日に間に合わないことがあります。
遠方の実家では、帰省1回ですべて終わらせようとしないことが大切です。1日目は重要書類の捜索、2日目は分別、3日目は搬出のように分けると、作業と収集日を合わせやすくなります。
- 自治体の粗大ごみ・自己搬入ルールを確認する
- 家電4品目を別に分ける
- 買取に出せる物を撮影する
- 搬出日と収集日を合わせる
- 残った物だけ業者依頼を検討する
売却や解体を予定している場合は、片付け費用だけで判断しないでください。解体前にもう一度処分が必要になる物、買い取ってもらえる物、撤去費と二重にかかる費用も確認します。
注意!
自分で片付けるほど安くなるとは限りません。遠方の場合は、交通費・宿泊費・作業日数も含めて比べましょう。
費用を抑えたい場合は、自治体の制度や補助金も確認します。制度の探し方は、実家じまい補助金の費用・申請手順・注意点で解説しています。
業者に頼む場合の費用相場と見積書の注意点
業者に頼む場合の費用は、荷物量、階数、駐車場所、分別状況で変わります。相場はあくまで目安として見て、現地見積もりで総額を確認しましょう!
| 間取り | 費用目安 | 変動しやすい要因 |
|---|---|---|
| 1R・1K | 3万〜8万円程度 | 大型家具、家電の有無 |
| 1LDK | 7万〜20万円程度 | 階段作業、分別状況 |
| 2LDK | 12万〜30万円程度 | 作業人数、車両台数 |
| 3LDK | 17万〜50万円程度 | 物量、搬出距離 |
| 4LDK以上 | 25万〜80万円以上が目安 | 物置、庭、倉庫の有無 |
依頼先には、不用品回収業者、遺品整理業者、買取業者、清掃業者などがあります。家庭ごみや粗大ごみの回収には、市区町村の一般廃棄物処理業許可または委託が必要です。
産業廃棄物処理業許可や古物商許可だけでは、家庭ごみの回収には足りません。環境省は、無許可の回収業者を利用しないよう注意を呼びかけています(出典:環境省「環境省_廃棄物の処分に「無許可」の回収業者を利用しないでください!」)。
CHECK
- 作業人数と作業時間
- 車両台数
- 処分費と搬出費
- 階段料金、長距離搬出料金
- エアコン取り外し費
- 家電リサイクル料金
- 買取額と買取明細
- 追加料金が発生する条件
見積書は総額と追加条件を見ることが大切です。「定額パック」「追加費用なし」と書かれていても、現地で高額請求されるトラブルがあります。
国民生活センターは、不用品回収サービスで無許可業者とのトラブルに注意を促しています(出典:独立行政法人国民生活センター「不用品回収サービスのトラブル-市区町村から一般廃棄物処理業の許可を受けず、違法に回収を行う事業者に注意!-_国民生活センター」)。消費者庁も、ウェブ広告上の定額パック表示に関する注意喚起をしています(出典:消費者庁「ウェブサイト上で「お得な定額パック 定額パック料金は、全てが込み込みの料金」などの広告・表示をして不用品・粗大ごみ回収サービスを提供する事業者に関する注意喚起 | 消費者庁」)。
相見積もりは、2〜3社で取るのが目安です。安さだけでなく、許可・委託の有無、買取明細の分け方、写真付き報告の可否、遠方対応の方法を比べます!
| 比較項目 | 確認する理由 |
|---|---|
| 許可・委託の有無 | 家庭ごみを適正に扱えるかを見るため |
| 見積もりの内訳 | 追加請求の条件を確認するため |
| 買取明細 | 処分費との相殺内容を確認するため |
| 作業後の報告 | 遠方でも作業内容を確認するため |
| キャンセル料 | 家族の同意が遅れた場合に備えるため |
注意!
契約前に、総額、作業範囲、キャンセル料、廃棄物の引き渡し先を書面で確認します。口頭だけで進めないようにしましょう!
費用が全部でどのくらいか先に知りたい場合は、実家じまい費用の相場と内訳、手順と注意点も参考になります。
相続後・空き家の期限と片付け後の手続き
死亡後の実家を片付ける場合は、片付け前に相続の期限を確認します。特に相続放棄を検討しているときは、先に家庭裁判所への申述期限を見ます!
相続放棄は原則として、自己のために相続開始があったことを知った時から3か月以内に行います(出典:裁判所「相続の放棄の申述」)。財産価値のある家財を処分・売却すると、相続を受け入れたと判断されるリスクがあるため注意します。
注意!
死亡後の片付けは期限確認が先です。相続放棄、不動産登記、売却特例の期限を見てから、処分の範囲を決めましょう。
| 手続き・制度 | 主な期限・注意点 | 片付けとの関係 |
|---|---|---|
| 相続放棄 | 原則3か月以内 | 価値ある家財の処分前に確認する |
| 相続登記 | 不動産取得を知った日から3年以内 | 権利証、固定資産税通知書を捨てない |
| 空き家の3,000万円特別控除 | 適用には期限や要件がある | 片付け、解体、売却時期を合わせる |
| 相続税の債務控除 | 控除できる債務は要件がある | 片付け費用と混同しない |
実家の土地や建物を相続した場合は、相続登記の申請義務があります。2024年4月1日から始まった制度で、相続で不動産を取得したことを知った日から3年以内に申請が必要です。
正当な理由なく申請を怠ると、10万円以下の過料の対象になり得ます(出典:法務省「法務省:相続登記の申請義務化に関するQ&A」)。片付け中に登記識別情報、権利証、固定資産税通知書を見つけたら必ず保管しましょう!
相続した空き家を売却する場合は、空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除の対象になる可能性があります。適用には期限や耐震改修、取壊しなどの要件があります(出典:国土交通省「住宅:空き家の発生を抑制するための特例措置(空き家の譲渡所得の3,000万円特別控除) – 国土交通省」)。
片付け費用や遺品整理費用は、相続税の債務控除と同じものではありません。相続税で控除できる債務は、原則として被相続人の死亡時に現に存在した確実な債務などとされています(出典:国税庁「No.4126 相続財産から控除できる債務|国税庁」)。
- 相続放棄を検討するか家族で確認する
- 不動産の名義と固定資産税通知書を確認する
- 売却、賃貸、解体、管理継続のどれに進むか決める
- 火災保険、電気、水道、郵便物の扱いを整理する
- 近隣への連絡や草木の管理方法を決める
片付け後にお金が足りない場合は、解体や売却まで一気に進めず、使える制度と費用の優先順位を確認します。費用面で不安が強い方は、実家じまいでお金がないときの費用・手順・注意点も読んでおくと判断しやすいです!
農地や山林を含む実家を相続する場合は、片付けだけでなく土地の扱いも早めに確認します。農地を引き継ぎたくない場合の考え方は、「いらない農地」の相続を回避・放棄する現実的な手段で解説しています。
POINT
片付け後は、家を残すか手放すかを決める段階に進みます。固定資産税、火災保険、電気・水道、郵便物を放置しないようにしましょう。
まずは家族で片付けの目的と期限を決め、貴重品・重要書類を探す日を1日設定しましょう。最初に捨てるのではなく、記録して共有することから始めると進めやすくなります!
相続放棄、相続登記、売却時の税制が関わる場合は、個別の判断を専門家に確認してください。片付け、費用、期限を分けて考えることが大切です。

