山林相続がいらない時の処分方法4選|国庫帰属から0円譲渡まで解説

相続した山林が不要な場合、放置はリスクでしかありません。
主な処分方法は、国に返す、業者に売る、個人に譲る、相続そのものを放棄する、の4つです。

それぞれの特徴と実務上の注意点を解説します。


目次

いらない山林を処分する4つの具体的な方法

現状の日本の制度において、不要な山林を適法に手放すための主要なルートは以下の通りです。

相続土地国庫帰属制度を利用して国に引き取ってもらう

2023年4月から施行された制度です。
一定の要件を満たせば、土地の所有権を国に帰属させることができます。
建物がないこと、境界が明確であること、土壌汚染がないことなどが条件となります。
また、審査手数料のほか、10年分の標準的な管理費用にあたる負担金を納める必要があります。

【参考情報】 法務省|相続土地国庫帰属制度について

山林専門の買取業者・仲介サービスに売却する

一般的な不動産会社では取り扱いが難しい山林も、専門業者であれば買い取りが可能です。

資産価値が低い場合でも、数万〜数十万円程度の価格で、あるいは引き取り費用を支払う形で処分できるケースがあります。
スピードを優先する場合に有効な手段です。

0円物件サイトなどのプラットフォームで譲渡する

0円都市開発などのマッチングサイトを利用し、キャンプや開拓をしたい個人へ無償で譲る方法です。

業者に断られた物件でも、立地や雰囲気が良ければ成約する可能性があります。
譲渡の際は、贈与契約書の作成や登記手続きが必要です。

相続放棄を検討する

相続開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所へ申し立てることで、山林を含むすべての遺産を相続しない選択ができます。
ただし、特定の土地だけを放棄することはできず、現預金などのプラスの資産もすべて失う点に注意が必要です。

【参考情報】 裁判所|相続の放棄の申述


いらないと放置し続けることで発生する3つのリスク

処分を先送りにし、名義変更もせずに放置すると、以下のような実害が発生します。

工作物責任による損害賠償リスク

倒木が隣家の損壊や道路をふさぐなどの被害を与えた場合、所有者は過失の有無にかかわらず損害賠償責任を負う可能性があります。

不法投棄の撤去費用負担

管理不全の山はゴミを捨てられやすく、犯人が不明な場合は土地所有者が自費で撤去・処分を行わなければなりません。
さらに、不法投棄があると、後に国庫に返却したい場合も返却申請が棄却されてしまうため、将来の活用用途を狭めるという点においても注意が必要です。

次世代への負の遺産の承継

放置すればするほど境界の特定が困難になり、将来的な名義変更コストや親族間のトラブルを増大させます。
直接所有者にリスクが及ぶわけではないですが、公益的な観点でのリスクという点では忘れてはいけないポイントです。


【飯能の現場から】とりあえず維持が最も高くつく理由

飯能・吾野エリアでの経験上、毎年数万円の固定資産税や管理費を払い続けることは、長い目で見れば最大の損失です。例えば、30年持ち続ければそれだけで数十万円が消えます。国庫帰属の負担金や専門業者への引き取り費用として、最初に数十万円を一度支払ってしまったほうが、トータルのキャッシュアウトを確実に抑えられます。


山林相続の悩み・処分の相談窓口一覧

状況に合わせて以下の窓口へ相談してください。

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この記事を書いた人

京都大学で森林科学を専攻し、ITベンチャーや外資系コンサルで培った戦略的視点を強みに、農地・山林の売却、利活用、相続対策の情報を発信中。

現在は、埼玉県飯能市で築160年の古民家民泊を経営する傍ら、地域の土地活用コーディネーターを務めています。
「負動産」を収益資産へ変える専門家として、実務とWebマーケを融合。
現場経験に基づいた農地法・森林法対策を武器に、全国の土地オーナーの課題解決を支援しています。

お困りのことがあればぜひご相談ください。

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